資料は「弓道教本第2巻の浦上栄先生の言葉」 「紅葉重ね」 「もみじの春秋」による。
このような恵まれた資料が整えられたことに、私たちは関係者各位に心より深く感謝いたします。
これらを本棚に飾り眺めているだけなら、宝の持ち腐れになりますので、よく読み込んで実践していく時にそれは光り輝き宝になっていきます。
そして、私たちは浦上栄先生の言われた次の言葉に恥じぬよう、日々努力を続けたいと思います!
…しかし理論は永久に消滅は致さぬと思います。いづれ他日、上手な熱心な方が出られて、日置流の技の真髄を永久に伝えてくださるであろうことを、私は信じて疑わぬものであります」「もみじの春秋」「同門会たより」
射技概要
日置流射法は、12節である。(8節ではない)
1、足踏: 矢束の準・中墨の準・扇子の準・権足の中準
日置流では左足は爪先に右足は踵に入れて前後の動揺を防ぐ。
2、胴造り: 袴腰の準
腹部を僅かに前方に屈し、腰を引いて袴の腰板が(帯をする辺り)がピッタリ腰に付くようにする
3、取懸け: (夜の弓の習い)
矢筈の下3~4寸下で親指の腹を十文字(直角)にあて、親指を軽く屈め、弦の外から人差し指、中指の二指で親指が反らないくらいに軽く押さえ、弦をこき上げて矢に取添える。
4、手の内: 「紅葉重ね」
日置流では手の内の整え方を「紅葉重ね」といいその働きを「角見」の働きという。※後になって変化を生じるようでは手の内を整えた意味がない。
先人が「角見の働きを味あう事なくして射を語る勿れ」と叫んだのもこれで、この働きなくして的中したとして何等価値ある射ではない。
手の内を整えて且つ変化なからしめようとする意図のもとに斜面打ち起しが工夫された…と述べられている。
5、弓構: 頭持ちの準 (目尻、目頭)
「物見とは、やよとは人の呼ぶときに、射ると答えて見むく姿よ」
6、打起し: 円相が尊ばれ形の上にも動作にも丸味が必要 (三分の一の矢尺を保ち)
勝手にて上がるとこまで高く打ち起し、前部より額が見えるように。水流れ。
7、引分け三分の二:
矢束の三分(部)二を引き込んだ時を言う。勝手は耳を超えて位にして、矢は眉または目の高さで水平となる。(矢束の三分の二ではない)
8、詰合い:(日置流では会とは言わない)
9、伸合い: 「引く矢束 引かぬ矢束に ただ矢束 放つ 離れに はなさるるかな」
最初は「ただ矢束」であるが、次は弛まぬように「引く矢束」の稽古をし、その功を積んだなら「引かぬ矢束」とならねばならない。ここに「伸び合い」と矢束の大切な関係がある
10、やごろ:(鉾伏の準を参照)
伸び合いから離れの時期に至る一瞬間を「やごろ」と言う。離れたからやごろであって、やごろであったから離れたのである。
11、離れ:( 雨露利の離れ)(鸚鵡の離れ)
無我の内に離れるのを「自然の離れ」と言う。「離れを弓に知らせぬ」法である。
しかし初心者は、このような軽い離れを望んで掛かったのでは、到底到達し得ないどころか、かえって弊害をさえ生じる。なぜなれば、軽い自然な離れは十年も二十年も修練を積んだ人にして初めて実現し得るもので、それを初心者が希望するのは全く無理な注文である。だから始めは非常に鋭い離れを練習していれば、時を経、矢数を重ねるにしたがって次第に円熟し、遂には軽い離れが出来るようになるのである。
12、残心:(武徳会設立の時に栄先生がこれを入れることを強く推奨された節)
残心は射の総決算の時で、足踏みから全ての働きの余勢がこの時に表現され、自然の形や動きが期せずして整うのである。求めて得られるものでなく、自然の姿であって、最も大切な部門である。
「四寸八寸の離れ」
上記、射技概要の全ての文章は「紅葉重ね」「教本第2巻栄先生の言葉」「紅葉に春秋」から取られています。ご自分で確かめてください!
通常の団体練習
まず巻き藁で順番に2射かそれ以上引き、遅れてくる人がいれば揃うまで練習します。巻き藁が基本です
順番に巻き藁を引くのは浦上栄先生が何時もそのようにして手本を示してくださったからです。
まずご自分が先に引き手本を示され、そのあとに弟子たちが順番に続いたものです。そして個々に指導を受けそれから、射に入ったものです。
ですから、現在でも、まづ主たるものが先に引きそのあとに続く人たちに、指導を与えるのは栄先生に習っていることになります。
それが終わったら日置流印西派体配で射に入ります。時間がない時は略式体配で行います。大勢の時は詰めて1立で行うようにしています。たとえ的が人数分なくても射込みます。(一つ的演武の要領で) 日置流は的を見て左足踏み、そこからで目縄(目で線を引く)を引き右足を開きますので、どこに立っていても引けるはずです。
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※但し稲城紅葉会に入会して1年以上の方で、真剣に浦上栄先生の射を学びたいと願われる方が対象です。遠慮なく申し込んでください。共に学びましょう!
(時々、資料の追加、修正、パスワードの変更をしています)